花粉症対策にまさかの「フキ」!?その意外なチカラとは

2022/12/22
いまや現代病のひとつとなった「花粉症」。
毎年、冬から春にかけて花粉が飛ぶ季節になると、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどに悩まされている方は多いと思います。

花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギー症状です。
鼻腔や目に侵入した花粉に対する免疫反応によって、鼻水や目のかゆみといった症状が引き起こされるのが一般的ですが、ひどい場合には頭痛や倦怠感、食欲不振などの症状が出て、日常生活の質を著しく低下させることもある決して侮れない病気です。

花粉症および花粉症予備軍の人は年々増加しており、現在、日本人の約4割が花粉症を発症していると言われています。
また、近年は患者の低年齢化も進んでおり、幼児期から発症するケースも珍しくありません。

花粉症になった場合、「抗ヒスタミン薬」などを服用し、症状を和らげるのがよくある選択肢です。
しかし、眠気を引き起こしたり、集中力を低下させたりする作用があることから、働く人などには抵抗感を抱く方が多いほか、薬を長期間服用すること自体をためらう人も多くいます。
そのため、日々の食事や飲料を通じて、身体にやさしく、眠くならずに症状を緩和させたいと思う方も少なくないと思います。

花粉症の症状緩和や発症予防に効果があるとされる食品・飲料としては、身近なところではヨーグルトやお茶類などが知られています。
しかし、近年は「フキ」のエキスにも花粉症の抑制効果があることが罹患者への実験結果でも確認されており、花粉症を抑える安全性の高い新食材として注目を集めています。

花粉症のメカニズム


花粉症によって引き起こされるくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などは、いずれも体内に入ってきた花粉を取り除こうとすることで生じるアレルギー反応です。
花粉が目や鼻から体内に侵入すると、免疫システムによって「花粉=敵」とみなし、それに対応するための抗体(IgE抗体)が作られます。
この状態のことを「感作」と言います。

このIgE抗体は、花粉が体内に侵入するたびに作られ、少しずつ体内に蓄積されていきます。
ただし、IgE抗体が作られたからといってすぐに花粉症が発症するわけではありません。
人によって期間は異なりますが、数年~数十年に渡って花粉を浴び、IgE抗体の蓄積量がある一定のレベルに達すると、次に花粉が侵入してきた時にアレルギー反応を起こす「ヒスタミン」などの化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状が発症します。

去年までは全然大丈夫だったのに急に花粉症になったという方も多いと思いますが、それはこうしたメカニズムによるものです。

花粉症のメカニズム



フキ(フキエキス)の特徴および含有成分


フキ

「フキ」は数少ない日本原産の野菜であり、主に愛知県、群馬県、大阪府、北海道などで栽培されています。
風味の良い早春を代表する食材として、古くから日本各地で親しまれており、かつては解毒や打撲傷治療の漢方にも使用されていました。

このように古くから日本の医・食に貢献してきたフキですが、近年の研究ではフキエキスに含まれる「フキノン」、「フキノール酸」、「クロロゲン酸」といったポリフェノール類が、花粉症を抑制させるうえで有効な成分であることがわかっています。

ほとんどの植物に存在する色素や苦みの成分であるポリフェノールは、自然界に5,000種類以上あるとされ、その効能は抗酸化作用や生活習慣病の改善、老化防止など、種類によって様々です。
この中でもフキエキスに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用や肥満予防だけでなく、抗アレルギー作用にも優れていることがわかっています。




フキ(フキエキス)の抗アレルギー作用



オリザ油化株式会社が行った研究では、フキには主に3つの特殊な抗アレルギー作用があることがわかっています。


  1. 脱顆粒抑制作用

  2. ロイコトリエンの放出抑制作用

  3. TNF-αの産生を抑制効果



フキの抗アレルギー作用



1. 脱顆粒抑制作用


花粉などが体内に侵入したことに対する免疫反応として、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどの化学物質を体内に放出する現象を「脱顆粒(だつかりゅう)」といいます。

この時に放出されるヒスタミンなどが血管や神経を刺激することで、くしゃみや鼻水、目のかゆみが引き起こされるわけですが、フキ特有のポリフェノールである「フキノン」や「フキノール酸」には、この脱顆粒を抑制する作用があることがわかっています。
つまり、アレルギー反応の引き金となっている現象の発生自体を抑える効果があるということです。

2. ロイコトリエン遊離抑制作用


ロイコトリエンとはアレルギー反応を起こす化学物質の一種であり、花粉などが体内に侵入することで細胞膜リン脂質から合成されます。ロイコトリエンには血管の拡張や気管支の収縮を促す働きがあり、このことが花粉症発症時の鼻づまりに繋がっています。

フキエキスにはこのロイコトリエンの働きを抑制する効能が認められており、花粉症における鼻づまりなどの症状を和らげる効果が見込まれています。

3. TNF-α産生抑制作用


TNF-αは炎症を促進させるタンパク質の一種で、花粉症などのアレルギーの症状を悪化させたり、慢性化させたりすると言われています。
フキエキスにはこのTNF-αの生成を抑制する作用があることが確認されており、症状の重度化や慢性化を防ぐ効果が見込まれています。

花粉症患者に対する臨床試験の結果



オリザ油化が10人の花粉症患者を対象に行った臨床試験では、フキエキスを1日250mg、花粉が本格的に飛び始める約2週間前の2月12日から4週間に渡って摂取してもらったところ、摂取期間中はリカバリー期間(摂取終了 4 週間後)と比べて、くしゃみや臭覚、目のかゆみといった症状が和らぐ傾向が見られたという結果が出ています。

また、アレルギー反応が起きている時に増える白血球の一種、「好塩基球」や「好酸球」の血中濃度も、摂取期間中はリカバリー期間と比べて低く抑えられる傾向にあったことが確認されています。

症状の程度などによって個人差はあるものの、このように臨床試験においても、フキエキスを摂取することで花粉症の改善が期待できることが明らかになっています。

おわりに



従来の抗アレルギー作用を持つ食材にはなかった新しい効果・作用も確認されている「フキエキス」。
なるべく自然なもので花粉症対策をしたいという方は、是非一度、日々の食生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?
DMCオンラインショップ